ドクターカー紹介
当院のドクターカーは2011年4月より導入されました。国立大学病院では全国初となる、いわゆる「ワークステーション式ドクターカー」であり、佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センターに隣接した待機所に消防スタッフ2名が平日9-17時の間待機し、出動に備えます。
出動に際しては、キーワード方式を採用しており、救急要請の内容に「心肺停止」「意識障害」などのキーワードがあれば、救急指令からドクターカー出動が要請され、それまで通常勤務していた救急医1名と看護師1名も同乗し救急現場に出動します。ドクターカーには赤色のSUVを使用し、サイレンを流しながら現場へ急行します。そして、通常は診察や処置などは現場に臨場した救急車内で行い、そのまま適切な病院に搬送します。(下記図1~3参照)
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図1:現場に医師・看護師を投入する消防緊急車両
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図2:救急隊員が緊急走行する車両に医師、看護師が同乗して現場に向かう
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図3:現場で処置後に医師同乗救急車の表示がある車両に医師・看護師が同乗して医療機関に患者を搬送する
ドクターカーの目的として、医師・看護師自らが患者さんのもとへ向かうことによって、迅速に治療を開始し、病院での根本治療へスムーズにつなげ、予後改善を目指します。ドクターカーには蘇生薬剤や医療器具なども搭載されていますので、病院到着まで待てないと判断した場合には、出動現場や搬送中の救急車内で緊急手術を開始することもあります。
また、出動場所によってはドクターヘリと協同して診療を行うこともあります。ドクターヘリが現場直近へ着陸できない場合は、現場までドクターカーが出動し、治療を開始しながら、安全にランデブーポイントまで搬送することもあります。(下記図4参照)
図4:ドクターカーとドクターヘリが現場出動する流れの1例
要請件数については、概ね年間400-500件で推移していましたが、ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響で、件数が減少しています。(下記表1参考)
表1:年間のドクターカー要請件数の推移
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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要請件数 | 494 | 467 | 39 | 340 | 251 |