我々のホームページを見て頂き誠に有難うございます。SUHTARは、Saga University Hospital Trauma And Resuscitationの略で、我々のセンターのニックネームとなっております。
佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センターは、昭和53年(1978年)の佐賀医科大学医学部附属病院開設時に設置された救急部開設準備室が発端となり、最初の責任者として西村謙一先生が担われました。その後、昭和60年(1985年)に救急部が発足し、平成17年(2005年)9月には、佐賀県で2か所目の救命救急センターの指定を受け、初代センター長に瀧健治センター長が就任されました。救急患者専用の病棟の整備も、この時期より整備され、重症患者管理用の10床を含む30床の病棟でした。平成25年(2013年)12月には、南診療棟に救命救急センターが移設されました。2階の6床のEmergency Intensive Care Unit(EICU)と、1階の24床のEmergency Care Unit(ECU)病棟からなる30床の病棟でした。また、救命救急センターとしての約10年の実績が評価され、平成27年(2015年)5月からは、九州で3番目、佐賀県で最初の高度救命救急センターの認可を得ており、現在に至っています。
当救命救急センターでは、国内の大学病院の中でも早期より病院前診療に注力してまいりました。2011年より開始されたワークステーション式ドクターカー(医師同乗車)では、佐賀広域消防局と提携し、佐賀市や多久市、小城市、神埼市、吉野ケ里町の4市1町において、救急医1名、看護師1名で現場に出動しています。さらに、南診療棟屋上に設けられたヘリポートを利用し、2014年1月よりドクターヘリも運航開始されました。佐賀県ドクターヘリは、県立医療センター好生館との共同運航で、当院は1週間のうち5日間を担当します。現在では、佐賀県ドクターヘリが出動可能な佐賀県全域のみならず、隣県とのドクターヘリ相互応援事業として福岡県や長崎県も出動範囲となります。このように、当センターでは、病院前診療から、救急室(Emergency room)、EICUまで、シームレスな救急医療の実践を行っております。
当センターで診療する主な疾患には、外傷・敗血症・熱傷・中毒・心停止蘇生後などがあり、他科の疾患やかかりつけの患者様につきましても、救急車で搬送される際には、対応いたします。また、熊本地震や九州での豪雨災害など、国内外の災害現場へもDMAT隊やドクターヘリによる支援などを積極的に行っており、近年では、佐賀県特有の原子力災害に対してもチーム作りを進めております。
佐賀大学医学部救急医学講座は、平成8年(1996年)4月に開設されました。同年9月に、初代教授の瀧健治教授が就任され、佐賀県救急医療の最後の砦として救急医療を実践するとともに救急医学の教育、研究にも力を注いできました。さらに平成22年(2010年)8月より現在の体制となっております。一方で、救急医学講座に加えて、平成19年(2007年)1月より最初の寄附講座であります危機管理医学講座が併設され、以降も寄附講座は継続して併設されており、大学内の医局員の増員とともに発展に大きく寄与しています。今日までに多くの医師ならびに医学研究者を、佐賀県内だけでなく全国に輩出しており、現在も救急スタッフ医師14名が中心となり、大学病院の使命であります診療・研究・教育の3本柱を中心に活動して参ります。研究実績としては主に血液凝固障害に関連した論文を中心に集中治療・心肺蘇生・外傷などの領域となっており学位取得も可能です。さらに、国際学会への発表や、論文の執筆、海外への留学なども、医局として積極的にサポートできる体制となっております。教育体制としては、臨床チームを2チームのチーム制とし、チームメンバー以外にスーパーバイザーの指導医が複数名いる体制であり救急科専門医・集中治療専門医に加え外傷専門医や航空医療学会認定指導者なども取得可能できる教育体制です。
当センターの主な関連病院として佐賀県医療センター好生館救命救急センター・日本赤十字社唐津赤十字病院救命救急センター・国立病院機構嬉野医療センター救命救急センター・国際医療福祉大学高邦会グループ高木病院救急医療部を擁しております。さらに、同門であります日本医科大学救急医学教室とも連携し、国内留学することも可能です。専門医取得や学位取得、海外留学などに少しでも興味を持たれたらご連絡いただければ幸いです。
佐賀大学医学部附属病院 高度救命救急センター センター長
佐賀大学医学部 救急医学講座 教授
阪本雄一郎